「死んだはずの“ぼく”が人生をやりなおす?」
そんな物語に、あなたはどんな結末を想像しますか?
後悔や迷いを抱えながらも、前に進もうとする“ぼく”の姿に、そっと心を重ねたくなる一冊でした。
文章もわかりやすく、読書初心者にもおすすめ。
心が少し疲れたときに、そっと寄り添ってくれる物語です。
今回は、森絵都さんの小説『カラフル』をご紹介します。
🌈 あらすじ(ネタバレなし)
死んだはずの“ぼく”が目を覚ますと、天使を名乗る「プラプラ」に再会します。
どうやら“ぼく”は「抽選」に当たり、再挑戦(リプレイ)のチャンスをもらったとのこと。
期間はわずか半年間。その間、“小林真”という14歳の少年の体を借りて、“人生のやりなおし”に挑みます。
📝 印象に残った3つのポイント
- ①「どんな人にも、見えていない色がある」
家庭や学校、友人関係──どれも“うまくいっていないように見える”真の人生。
でも、内側に触れてみると、少しずつ違う色が見えてきます。
誰かの人生を決めつけることの危うさに気づかされました。 - ②「何気ない毎日の中にも、“自分らしさ”がにじんでいる」
小さな選択、ふとした反応。そのどれもが、“ぼく”の感情を少しずつ変えていきます。
人生って、ドラマチックな出来事だけで動くわけじゃないんだなと実感。 - ③「リプレイの目的は、“罪”と向き合うこと」
“ぼく”には、ある過ちがあります。
なぜ再挑戦のチャンスを得られたのか。
物語が進むにつれて、その問いと“ぼく”自身の過去が重なっていきます。
📖 この本はこんな人におすすめ
- 心が少し疲れていて、でも前を向きたい人
- 自分の過去に後悔がある人
- “やり直す”ってなんだろう、と考えている人
🍀 感想まとめ
「人生は、ひとつの色だけじゃない。」
そんなメッセージを、優しく、あたたかく、でもまっすぐに届けてくれる1冊でした。
特に、看護師として“人の心の変化”に向き合ってきたわたしには、すごく響く物語でした。
読後感もやさしく、ちょっと心があたたまる。そんな読書体験になると思います。
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